index > ファンタズム・ギヤ
薄闇が陽光を遮り、街を暗がりに沈めている。機械仕掛けの塔より立ち昇る煤煙が、天蓋となって空を隠し、昼の明るさを奪って久しい。その空を見上げていた男は門衛に促され、外套の内側に吊るしている歯車徽章を示した。
頷き、門衛が吹いた笛の音(ね)を追って、鐘の重い響きが空を突く。大気を震わせ続けている機械の音が、ひと際高くなった。弾み車が曲軸の勢いを受け、扉を飾る無数の歯車を動かし、鎖を巻きつける音には錆の色がある。
『STANDARD R.P.G. SYSTEM』を利用し作成した、伝奇スチームパンクTRPG。ヴィクトリア朝時代をモチーフとした架空ヨーロッパを舞台に、人智を越えた力を秘める、先史文明の遺物〈幻想歯車, ファンタズム・ギヤ〉が宿す意思に選ばれ、異能力者〈伝動者, ギヤード〉となった者をPCとして、各国の王室に直結する組織〈歯車匠会, ギヤーズ・コート〉に所属し、〈産業革命〉以後、同組織と対立する〈偉人議会, グレート・チェアーズ〉との戦いを主題としたセッションを行う。